作品110324

182.5×91.5×9.0cm ミクストメディア
2011年

フィールドワークからの消息

自然を信じるのが事の始まり。人、言語、文化の独自性に引かれアジア・中南米各地を歩きつづけた。

40代に入り、近・現代美術の背景や原点が興味の対象となった。ギリシア・ローマ時代まで遡るフィールドワークになり、その都度異なったものに出会い、捜すものは拡散する一方で収拾がつかなくなってしまった。

そうこうしている時に絞り込まれてきた事柄は1930・1940年代、そして20 世紀美術の意味を知ること-マルセル・デュシャンを理解すること-だった。「人間の追求する問い」に勇気づけられ感動した。

しかし限界も見てきた。欧米文化を追い捜しても大きすぎたし、疑問は増すばかり。感覚的には都市は乾燥していた。唯一関係性を見いだした要素はマチエール、コラージュ、物質等から発信されるものだった。自己の環境からオリジナルを制作することこそ、収拾を収めることに継ながると思えた。

現在、BOX(箱)の中に「もの」を納め埋め込む制作をしている。幽遠、深遠の世界。箱の中に樹木、布、紐を集積し静かに自然の姿を残すこと。小さな時空間に音、風、色、気配が同居している世界。透過する光は強くもなく暗くもない。箱の中に次なる消息を捜しだそうと想っている。

千葉県大原生まれ
1970年 カダザン民族取材(ボルネオ島)
1971年 多摩美術大学絵画科油画卒業
1973年 マヤ文明取材(ガテマラ)
1975年 インカ文明取材(ペルー)
1976年 アステカ文明取材 (メキシコ)
1992年 イタリア中世取材
2004年 エジプト・ギリシアローマ時代取材
2006年 スペイン中世取材
2010年 エフェソス遺跡取材 (トルコ)
2016年 多摩美術大学 教授
     日本美術家連盟 会員

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